富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【総論・筋組織】錘内筋

筋紡錘の中に錘内筋が含まれるという認識でいいですか? という質問がありました。 筋紡錘の中にあるのは錘内筋ですね。外にある普通の骨格筋のことは錘外筋とも呼びます。

【総論・筋組織】刺激伝導系のメカニズム

刺激伝導系を構成する特殊心筋どうし、あるいは特殊心筋と固有心筋は、ギャップ結合で結合しているために電気的興奮の伝導が可能になっているのでしょうか。 「刺激伝導系を介して興奮が伝えられる」という風によく表現されますが、どのようなメカニズムで興…

【総論・血液】好塩基球と好酸球のはたらき

好酸球はヒスタミナーゼを出し、好塩基球はヒスタミンを分泌するとのことですが、好塩基球が炎症を引き起こし、それを好酸球が抑制しているということでしょうか? という質問がありました。 ヒスタミンは小血管を拡張させます(その結果として炎症が起こる…

【総論・血液】顆粒球と無顆粒球

顆粒球と無顆粒球では特殊顆粒があるかないかが違いだと思われますが、これと顆粒球が自然免疫、一方で無顆粒球が獲得免疫に働くことと何か関係はあるのでしょうか? という質問がありました。 鋭い指摘です。特殊顆粒に含まれている物質の多くは自然免疫に…

【総論・血液】形質細胞のタンパク質合成

形質細胞は細胞質内に粗面小胞体が沢山ありたんぱく質の合成能が高いように思えましたが、一方で核内にヘテロクロマチンが多いので一見DNAの読み取りがなされずたんぱく質の合成が盛んでないように見えました。矛盾しているような気がするのですが、どういう…

【総論・血液】白血球の種類と比率

単球の数は、白血球の数の約1-10%を占めると調べたらありました。一方で好酸球は白血球の1-3パーセントを占めるとありました。どちらが占める割合が大きいのでしょうか。比較することはできますか。 という質問がありました。 組織細胞生物学では好酸球2-4%,…

【総論・血液】血球の数の調節

感染症などで白血球の数が増加すると聞いたことがありますが、どこで数の調整を行なっているのでしょうか? という質問がありました。 体内環境の変化に応じてそれぞれの種類の血球の数が調節されています。これによって感染症では白血球の数が増える、など…

【総論・血液】赤血球数と持久力

赤血球数と持久力(マラソンなど)に関係はあるのか。 という質問がありました。 赤血球が組織に酸素を送り込むので、赤血球が多ければ有酸素運動に有利であろうと想像できます。腎臓で分泌されるホルモンのエリスロポエチンは酸素分圧の低下が刺激となって分…

【総論・血液】好酸球の機能

アレルギーや寄生虫感染を持っている場合好酸球数が増加するとありましたが、それによる人体への影響はあるのでしょうか。 また、どうして好酸球のみに寄生虫を殺す働きがあるのでしょうか。 という質問がありました。 好酸球の特殊顆粒には様々な物質が含ま…

【総論・血液】鼻水と膿

鼻水は白血球の死骸と聞いたことがあるのですが、鼻水を顕微鏡で観察したら白血球が見えるのですか。 という質問がありました。 鼻水は、上部気道や鼻粘膜呼吸部の杯細胞が分泌した粘液(上部気道のものは「たん」ですね)、鼻粘膜嗅部の漿液腺が分泌したサ…

【総論・血液】免疫系いろいろ

1.抗体と抗原の関係って何ですか?それぞれの働きも教えていただけると有難いです。2.免疫グロブリンの働きって何ですか?3.T,NK,Bの判別は細胞表面分子に対する免疫染色で同定を行うとのことでしたが、どの受容体が表面に出ているかを、特定の…

【総論・血液】血液・骨髄標本作成法について

今回の実習で観察する血液の標本は塗抹標本といって、血液をスライドグラス上に薄く延ばしてメタノールなどで固定したあとに直接染色した標本で、血液や骨髄穿刺標本の観察に広く使われている方法です。利点として、簡単かつ速やかに作成できるため、病理検…

【総論・血液】白血病とは?

白血病の患者さんと通常の人の血液を比較した場合、白血病では実際に血液が白く見えるのでしょうか。 という質問がありました。 白血病は、造血幹細胞に異常が生じ、正常機能を有さない分裂能のみ盛んな異常な芽球(白血病細胞)が骨髄内で異常増殖すること…

【総論・血液】【各論・リンパ系】マクロファージは自然免疫?獲得免疫?

自然免疫と獲得免疫の違いは何ですか。 という質問がありました。 「単球とリンパ球は獲得免疫に関与」「単球に由来するマクロファージは自然免疫の細胞である」、と書かれていて混乱させられます。どういうことかというと、マクロファージは異物を貪食する…

【総論・血液】特殊顆粒について

特殊顆粒について、顆粒球の持つ特殊顆粒はすべて同じものという印象を最初に受けたのですが、好中球は淡いピンク、好酸球は濃いピンク、好塩基球は濃い青~紫に染まることから、「酵素・補体活性化因子・リゾチーム」の組成がそれぞれの顆粒球によって異な…

【総論・血液】芽球について

芽球は骨で言うと骨芽細胞のようなものなのでしょうか。 という質問がありました。 「芽」がつく細胞は分裂能を有する、と習いました。結合組織の線維芽細胞や骨芽細胞は確かに分裂能を有します。しかし、線維芽細胞や骨芽細胞は結合組織中で機能を有する(E…

【総論・血液】電子顕微鏡写真の解釈について

今回の講義資料で白血球の電子顕微鏡写真が示されているが、これらの写真では核が複数あるように見える という質問がありました。 標本の見え方は試料の作成方法ごとに変わってきます。第1回の講義で述べたように、透過電子顕微鏡で観察するためには50nmほ…

【総論・血液】赤血球のメイ・ギムザ染色

赤血球について質問なのですが、塗抹標本メイ・ギムザ染色ではなぜ中心が薄く染まるのでしょうか という質問がありました。 塗抹標本というのは、切片ではなくて細胞がまるまるスライドグラスに乗っかっているわけです。で、細胞質の好酸性の物質(ヘモグロ…

【総論・軟骨・骨】弾性軟骨の意義

喉頭蓋に弾性線維が多く観察されたと思います。喉頭蓋において、加えて軟骨において弾性線維が多いのはなぜですか?軟骨の中に、伸縮性を与える弾性線維があるのが不思議に思いました。 という質問がありました。 弾性線維の多い軟骨は弾性軟骨で、喉頭蓋は…

【総論・軟骨・骨】軟骨細胞が分泌するもの

今回実習で軟骨細胞を2つ観察しましたが、一方は気管軟骨、もう1つは喉頭蓋で、後者は弾性繊維が多くありました。軟骨細胞は自分の周囲に細胞外マトリックスを作っていたと思うのですが、後者の軟骨細胞は前者の軟骨細胞のようにプロテオグリカンやグリコ…

【総論・軟骨・骨】骨のリモデリング

骨折をした後に骨が強くなるのは本当か? という質問がありました。 一概には言えないかもしれませんが、骨を強くするためには常に刺激が必要である、という点で骨折という刺激が骨を強くする刺激になりうるのは確かだと思います。どういうことかというと、…

【総論・軟骨・骨】骨端の追いかけっこ

増殖帯の量と吸収帯の量が釣り合っているので、骨が長さ方向に成長する、ということがよくわからなかった。 という質問がありました。 まず、増殖帯が骨端側であり、吸収帯が骨幹側であることを思い出しましょう。吸収帯で軟骨が吸収されて骨に置換される、…

【総論・軟骨・骨】線維芽細胞の形について

腱の線維芽細胞はなぜ平たく、線維軟骨の軟骨細胞は丸いのでしょうか? という質問がありました。 前回の観察項目である線維芽細胞は存在する場所によって形が違いました。これは周囲のECMの中に占める膠原線維の密度によって決まってくるように思えます。例…

【総論・軟骨・骨】せん断力に抵抗する構造

線維軟骨の剪断力についての記述がありましたが、どういう構造が剪断力に強いのでしょうか? という質問がありました。 まず、せん断力というのは、骨の長軸に直交する向きで一対の力が互いに反対向きにかかる力のことで、骨が弱いと2つの力がかかる間のとこ…

【総論・軟骨・骨】弾性線維の染色について

講義で弾性線維はHE染色では染まらないとありましたが、今回の喉頭蓋のHE染色の画像では紫色に染まっているように感じました。また、弾性線維はエラスチンというタンパク質から構成されているものであるのに、一回目の講義では多くのタンパク質は+に帯電し…

【総論・軟骨・骨】オステオンとは

オステオンとは何ですか? という質問がありました。 オステオンを日本語に訳するとすれば「骨単位」となります。骨の構造の基本単位がオステオンで、それが寄り集まって骨ができている、という考え方です。オステオンを構成するのがハバース管と骨層板、そ…

【総論・軟骨・骨】骨粗鬆症の性差

骨粗鬆症はなぜ男性よりも女性の方がかかりやすいのですか。 という質問がありました。 まず、骨粗鬆症になりやすいのは「閉経後」の女性です。閉経後の卵巣では性ホルモンの合成が起こらなくなります。つまり性ホルモンが骨の維持に関係しているということ…

【総論・軟骨・骨】骨の長さ方向の成長

骨の発生について、骨端軟骨は遠位側と近位側の両方にあり、遠位側では成長の方向に軟骨が増殖するが、近位側では関節軟骨が肥大するということでした。つまり、骨は遠位側でしか伸長しないという理解であっていますか。 という質問がありました。 これは講…

【総論・軟骨・骨】軟骨内骨化で発生しない骨

全身のほとんどの骨は軟骨内骨化で発生するとありましたが、例外もありますか。 という質問がありました。 全身の骨は膜内骨化と軟骨内骨化のどちらかで発生します。軟骨内骨化で発生しない骨とは、膜内骨化で発生する骨のことで、頭蓋骨の大部分と鎖骨にな…

【総論・軟骨・骨】ハバース管とフォルクマン管

ハバース管とフォルクマン管は、物質を通す管というよりは、血管と神経を通す道、と考えて良いでしょうか? という質問がありました。 その理解で間違いありません。骨は物質の浸透性が悪いので、血管を発達させているのです。