富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・血液】形質細胞のタンパク質合成

形質細胞は細胞質内に粗面小胞体が沢山ありたんぱく質の合成能が高いように思えましたが、一方で核内にヘテロクロマチンが多いので一見DNAの読み取りがなされずたんぱく質の合成が盛んでないように見えました。矛盾しているような気がするのですが、どういうことなのでしょうか?

という質問がありました。

良い質問です。ヘテロクロマチンが多いからと言って生合成が不活発とはいえない例がこの形質細胞です。Bリンパ球から分化した形質細胞は比較的短命で、その短い寿命の間、毎秒数百から数千もの抗体をひたすら産生し続けます。つまり、ごく一部の遺伝子の転写しか行われていないことが想像されます。このため、殆どの遺伝子の発現が抑制された、高度に発達したヘテロクロマチンが目立った核を持っているのでしょう。