富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・軟骨・骨】線維芽細胞の形について

腱の線維芽細胞はなぜ平たく、線維軟骨の軟骨細胞は丸いのでしょうか?

という質問がありました。

前回の観察項目である線維芽細胞は存在する場所によって形が違いました。これは周囲のECMの中に占める膠原線維の密度によって決まってくるように思えます。例を挙げると、腱のように膠原線維の密度が高くなると、細胞は圧平されて四角くなる一方、ワルトンゼリーのように膠原線維の密度が低いと細胞は自由に突起を伸ばせるようになる、という塩梅です。
線維軟骨は腱と骨を繋いでいるので膠原線維が豊富ですが、ECMがHE染色で紫色によく染まることからわかるようにプロテオグリカンも豊富に含んでおり、膠原線維密度が硝子軟骨より高いが腱ほどではないのでしょう。これが細胞の形状に影響しているのだと考えられます。