富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・軟骨・骨】弾性軟骨の意義

喉頭蓋に弾性線維が多く観察されたと思います。喉頭蓋において、加えて軟骨において弾性線維が多いのはなぜですか?軟骨の中に、伸縮性を与える弾性線維があるのが不思議に思いました。

という質問がありました。

弾性線維の多い軟骨は弾性軟骨で、喉頭蓋はその一つです。
喉頭蓋はどのように働くのかというと。嚥下の際に気道に蓋をすることで気道に食物が誤嚥されるのを防ぐ働きがあります。(つばを飲み込むと、喉頭が上に上がりますね。これによって喉頭蓋が相対的に下がることで蓋がされます。)嚥下が終わると喉頭は下に戻り、喉頭蓋も元の位置に戻ります。喉頭蓋には筋肉はないので、この動きは受動的なもので、喉頭蓋軟骨の弾性が重要な働きをしているわけです。
もし喉頭蓋に伸縮性や弾性がないと、喉頭が下降した時に喉頭蓋がもとの位置に戻らず、窒息してしまいます。