海馬の神経回路で、CA2に役割等があるのか気になりました。
という質問がありました。
CA2は小さい領域なので、これまではほとんど研究が行われてきませんでしたが、最近になって色々な研究が出てきているようです。
まず、神経回路ですが、CA2もCA3同様歯状回から入力を受け、CA1に出力する領域です。
古典的には、歯状回は感覚情報のパターン分析器、CA3で既存のパターンと対比し、CA1で新奇性を検出するということです。最近の研究では、CA2は社会的認知記憶に重要であるという話が出てきています。さらに、CA2はCA3や歯状回の機能に影響を与え、社会的認知記憶以外の機能にも関与する、という話もあるようで、これから機能が明らかになってくることが期待されます。
ところで、富山大学には海馬を専門とする研究室が複数あり(井ノ口先生、田村先生など)、いずれも世界的に有名です。興味のある人は話を聞きに行くと良いかもしれません。