今回実習で軟骨細胞を2つ観察しましたが、一方は気管軟骨、もう1つは喉頭蓋で、後者は弾性繊維が多くありました。軟骨細胞は自分の周囲に細胞外マトリックスを作っていたと思うのですが、後者の軟骨細胞は前者の軟骨細胞のようにプロテオグリカンやグリコサミノグリカン、コラーゲンのほかに更に弾性繊維も出すようになった軟骨細胞なのでしょうか?
という質問がありました。
軟骨細胞はグリコサミノグリカンをおもに分泌するわけですが、それ以外の細胞外マトリックスを産生する能力も持ちます。弾性軟骨では弾性線維、線維軟骨では膠原線維が多く含まれており、これらは軟骨細胞が分泌しています。(硝子軟骨でもわずかに弾性線維が含まれているほか一定程度の膠原線維が含まれています)
軟骨細胞は線維芽細胞と類似した細胞系列でありますが、実は線維芽細胞は膠原線維の他、グリコサミノグリカンや弾性線維を分泌する能力を持っています。その意味で軟骨細胞と線維芽細胞はよく似た細胞であると言えるでしょう。