感染症などで白血球の数が増加すると聞いたことがありますが、どこで数の調整を行なっているのでしょうか?
という質問がありました。
体内環境の変化に応じてそれぞれの種類の血球の数が調節されています。これによって感染症では白血球の数が増える、などの調節が行われるわけです。これはホルモン・サイトカインのようなシグナル分子が骨髄の造血細胞に働くことによって起こります。以下に例を述べます。
酸素分圧の低下による腎臓でのエリスロポエチンの分泌とそれに伴う赤血球の増加については別に述べました。
骨髄ではトロンボポエチンが分泌され、血小板の産生を促します。
顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファージ刺激因子(M-CSF)は内皮や単球などから分泌され、顆粒球やマクロファージの産生を促します。
インターロイキンは有名なシグナル分子で名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。インターロイキンとは白血球間のシグナル伝達因子、といったような意味で、ヒトでは50種類以上が同定されています。このうちのいくつかは、免疫系の働きを調整する機能を持つヘルパーT細胞が分泌します。インターロイキンは種類ごとに異なる種類の血球の分化や活性を調節しています。