富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【各論・内分泌系(2)】なぜ脂肪滴とわかるのか?

脂肪滴由来の空胞なのか、切片を作る際にできてしまう人工産物なのか見分ける方法があるのか気になりました。

という質問がありました。

空胞が生じるような標本作成処理として考えられるのは、固定時の収縮に伴うものですが、収縮の仕方に違いがあるのである程度の判断はできます。
最終的に、これらが本当に脂肪滴であるのか確実に同定するためには、脂肪染色を行います。まず、通常の標本作成法では脂肪がなくなってしまうので、標本を凍結して切片を作成し、ズダン染色という方法で脂肪そのものを染色します。
このように、実際に見えているものが何であるか同定するのにHE染色だけでは不足なのですが、過去の様々な研究の積み重ねによって、副腎皮質細胞のHE染色でみえる細胞内の空胞が脂肪滴であると判断することができるわけです。