富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【各論・消化器系(3)】粘膜筋板の作用について

前回から今回にかけて臓器に存在する筋肉を観察しましたが、臓器の運動を行うのは前回なら内輪外縦の筋肉で、今回なら空腸において粘膜固有層に混じる平滑筋だったと思います。となりますと、粘膜筋板の必要性は何なのでしょうか?

という質問がありました。

内輪外縦の筋層は食塊の輸送に関わる蠕動運動を引き起こすことは学びました。それ以外の平滑筋は局所的な運動を起こします。 粘膜筋板の作用については、ROSS組織学には「この筋の収縮が粘膜の運動を引き起こし、隆起の部位と谷の部位を作り、吸収と分泌を促進する。粘膜のこの局所的な動きは消化管全体の壁の蠕動運動からは独立している」とあります。