富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・筋組織】筋線維の長さ

骨格筋の細胞で長さが20㎝もあるような部分はどのようなところですか。

という質問がありました。

骨格筋線維は骨と骨をつないでいるわけですが、多くの場合直接骨に付着しているのではなく腱(膠原線維の束)を介して付着しています。
筋肉の肉眼解剖的な分類で羽状筋とか、紡錘筋とかいったものがあったことを覚えているでしょうか?羽状筋は腱に多数の筋線維が付着して、筋が羽状に広がっているのに対し、紡錘筋は腱に付着する筋線維の数が比較的少ないため紡錘状や、細長い板状になっています(板状のものを平行筋といいます)。
紡錘筋の中には腱束が比較的少ないので、紡錘筋の筋線維の長さは長くなります。一方羽状筋は筋の中にまで腱が入り込んでいるので、筋線維の長さは短いものが多くなります。(このことから、紡錘筋は収縮力は小さいが、長さの変化は大きく、羽状筋はその逆であることがわかります)
ということで、長い平行筋の筋線維はとても長くなります。縫工筋の筋線維が20cmにも達することが知られています。(短い筋線維の例としては、アブミ骨筋が挙げられます。筋の長さがそもそも数ミリしかありません)
(おまけ)肉の食感と筋肉の肉眼解剖的な分類には深い関係があります。羽状筋は筋張る一方、紡錘筋は柔らかいものが多くなります。上の話から理解できると思います。