EPSPやIPSPはシナプスから離れるにつれて減衰するとありましたが、なぜでしょうか?
という質問がありました。
細胞膜には開きっぱなしのイオンチャネル(漏洩チャネル)があり抵抗として働き、また脂質二重層がコンデンサーとして働くので、細胞膜内外で抵抗とコンデンサーが並列に配置されたRC回路(物理学で習いましたか?)を形成しているため、ある場所で発生したシナプス電位は時間とともに減衰します。
では離れたところではどうなっているのか、というと、細胞膜のいたるところでこのRC回路が並んでいるわけです。樹状突起をホースのようなものであると考えると、このホースは壁に柔軟性があって圧変化を吸収し(=コンデンサー)、しかも穴だらけ(漏洩チャネル=抵抗)なのです。ホースに一時的に水流を加える(=シナプス電位)とホースに脈流が生じますが、その勢いは距離とともに衰えることが容易に想像されます。