富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・神経組織】アセチルコリンのはたらき

どうやってアセチルコリンが血管を拡張するのか?

という質問がありました。

ムスカリン受容体M3は平滑筋を収縮させるので、血管は収縮しそうなものです。実のところ、血管標本を取り出してアセチルコリンをふりかけて反応を見るとき、うっかり血管内腔面の内皮細胞にダメージを与えると、血管は拡張せず、収縮してしまうのです。内皮細胞にあるムスカリン受容体が一酸化窒素を産生し、これが平滑筋を弛緩させることがわかりました(1998年のノーベル賞)。なお、実は血管拡張線維は一酸化窒素も同時に放出しており、直接平滑筋を弛緩させる作用もあります。(ニトログリセリンバイアグラの作用も一酸化窒素と関係しています)

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