「中心部(ゾーン3)の肝細胞は滑面小胞体を多く含み、解毒・薬物代謝に重要」とありますが、ゾーン1で毒物の分解が主に行われゾーン3では血中毒素の影響を受けにくいはずなのに、ゾーン3で解毒・薬物代謝能が高い意味がよくわかりませんでした。ゾーン3は最後の砦のような役割なのでしょうか。
という質問がありました。
ゾーン1の細胞は滑面小胞体が少なめで、解毒・薬物代謝がそれほど盛んではないのです。ゾーン1は門脈からの高濃度の薬物・毒物にさらされることである程度は薬物代謝をするでしょうが、ダメージを受けやすいこととなります。(ただし例外があります。ゾーン3は薬物代謝の酵素がよく発現しているので、どんどん分解できるのですが、分解産物が活性酸素をつくりだすような毒物の場合、活性酸素分解に関わるミトコンドリアに乏しいゾーン3の細胞が傷害されやすいことが知られています。)