富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【総論・上皮組織】管状腺と胞状腺のちがい

管状腺と複合腺の違いは膨らみとおっしゃっていましたが、どれぐらいの膨らみの違いなのですか。

という質問がありました。

厳密な定義があるわけではありません。
で終わると大いに困るでしょうから、例をあげてみます。バーチャルスライドP-3/Hs_scalp_HE01(本学の組織実習標本)で、単一管状腺の例であるエクリン汗腺で導管の太さが25um、分泌部の太さが50umでした。分岐胞状腺の例である脂腺で導管の太さが30um、分泌部の最大径が100umでした。
つまり、明らかに太い、とか、腺上皮の厚みがとても厚い場合は胞状腺と、あまり太さが変わらず、腺上皮の丈が低い場合は管状腺と分類すれば良いでしょう。
なお、大きな複合胞状腺では導管が枝分かれしているのですが、こういうものの太い導管(導出導管)は直径だけ見ると分泌部より大分太いです。ですので、分泌部と、その直後の導管(介在導管)の太さを比較したほうが良いでしょう。