講義において、細胞間の隙間はサンプルを作るときにできた人工的なものと習いました。しかし今回の講義では、細胞間に隙間があることがある、と習いました。この2つの隙間はどのような観点から区別されるのかを教えてください。
という質問がありました。
結局の所、すべての組織標本作成過程が「人工産物」を付加するものにほかならないのです。それが意図したもの(ヘマトキシリンで核や粗面小胞体を染める)ならOKでそうでないならいまいち、ということです。意図せぬ人工産物の例として今回の実習で観察した死後変化に伴う収縮があります。これがなぜ死後変化とわかるかというと、生きた動物から取り出した臓器を即座に液体窒素などで凍結して標本を作成するとこのようなものが見られないことが挙げられます。つまり、いくつかの異なる実験条件・染色法を用いて比較検討することで人工産物かそうでないかを判別することができるのです。私が「人工産物」と言った一言の中に多くの先人の業績が控えているのです…!