移行上皮が複数の細胞層からなると見えて、実は一層からなることを習いましたが、移行上皮の図は、複数の細胞層からなっているようにしか見えません。一層からなっているという理解でよろしいでしょうか。
という質問がありました。
パラフィン切片のような、5ミクロンほどの厚さの切片では細胞が重なって見えるのでこれらすべての細胞が基底膜に接しているか判定することはできません。標本をプラスチックに包埋して、ダイヤモンドやガラスでできた鋭いナイフで切削することで、厚さ1ミクロン以下の切片を作成することができます。このような切片を連続で作成して、個々の細胞を連続切片上で追いかけていくと、すべての細胞が基底膜に接していることがわかるのです(なお、すべての細胞が管腔面に面しているわけではありません)。
別の方法として、ゴルジ鍍銀染色のような、少数の細胞を隅々まで染める方法を利用する手もあります。鍍銀染色をすることで、すべての細胞が基底膜に接していることを証明できます。