富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【各論・内分泌系(1)】下垂体後葉の見え方

①ヒトの下垂体水平断のHE染色について質問があります。大部分のピンク色の構造物は軸索で、ピンク色が濃くなっている構造物が神経終 末で、さらにピンク色の塊と言えるような構造物がヘリング小体ですか。軸索と神経終末の区別の方法は染色の程度によって見分けるのですか。
②HE染色でピンク色のネット状のものが沢山見えますが、見えているのは軸索で、時々見えるピンク色の丸い少し大きめの粒が神経終末で、その神経終末の中でも目立って大きいのがへリング小体ということであっていますでしょうか?
 ③また後葉のAFMG染色で紫に染まるものが沢山見られました。これらは軸索なのでしょうか?そしてその中でもはっきりと紫の玉として見えるのがへリング小体なのでしょうか? ④これは②に関連するのですが、授業の講義スライドにはAFMG染色において紫に染まるのは視床下部由来の分泌顆粒とありました。紫の粒が集まったところを神経終末やへリング小体というのは、そこからそれだけこの分泌顆粒が沢山分泌していることを表しているのでしょうか?

という質問がありました。

HE染色でピンク色に染まる粒が神経終末で、その大きなものをヘリング小体という、という理解で正しいです。 軸索は細いのでほとんど観察できないものと考えられます。ですので、軸索の途上で数珠状に膨らんだ終末を観察しているものと考えてください。 AFMG染色の、アルデヒドフクシンによって、この神経終末に存在する分泌顆粒が紫色に染色されます。ということで、AFMG染色ではより明瞭に観察が可能になっていて、紫色の粒一つ一つが神経終末を表すと考えてください(1個の分泌顆粒が見えるわけではない)。紫色の粒のうち、大きなものがヘリング小体になります。