解剖実習において、観察したご献体に総肝管や総胆管などの管はあったのですが、胆嚢はなかったために管に胆汁が蓄えられていたのかなと思いました。 ただ、濃縮がされていたのかどうかは気になるところです。
という質問がありました。
私も過去に胆嚢を除去したご遺体を観察したことが何度もあります。こういった人では総胆管が拡張する傾向があるように思います。なので、総胆管に胆汁が蓄えられていたのでしょう。
バーチャルスライドには総胆管はないですが、総胆管の上皮は胆嚢上皮と似ていて背の高い円柱上皮細胞からなります。そこから類推するに、ある程度の水分やイオンの吸収・輸送能力を有するのではないでしょうか。つまりある程度は胆嚢の機能を代行できそうに思えます。
胆嚢を除去すると一過的に消化不良などの症状が出るものの、長期的に見て問題はないのは、このような代償作用によると考えられます。