富山大学 システム機能形態学研究室 Systems Function and Morphology Lab., University of Toyama

音を認知する神経回路の構造を研究しています。 We study the neuronal circuitry for sensing sounds.

【各論・呼吸器系】嗅部の漿液腺

嗅部に漿液腺しかない理由はなんでしょうか。
嗅部に漿液腺もない方が、拡散しやすいと思うのですが、漿液線は何のためにあるのでしょうか。

という質問がありました。

嗅部に粘液腺があったら、粘液がニオイ分子の拡散障壁になるので都合が悪いと考えられます。
漿液腺は細胞表面が乾燥するのを防いでいます。乾燥表面で受容体は機能しません。ニオイ分子はすべて細胞表面の液体層に溶け込む必要があります。
(ジュンケイラの図の粘液層というのは、粘膜を覆っている液体の層という意味です。(仮に漿液腺しかなかったとしても、漿液層とは言わない) 鼻粘膜嗅部には漿液腺しかないのですから、粘液層にある液体は漿液(サラサラした液体)です。)